遅まきながら
「みえるひと」5巻を購入した
明神VSコモン戦の舞台になってる
首都圏外郭放水路をつい先月見学してきたばかりなので感慨もひとしお。あああほんとそのまんまだ!
しかしここ定期的に職員や見学客が入ってるから悠長にバトルとかしてられないと思うよ?(そんなリアリティを持ち込むな)
この巻に収録されてる第四十一譚「バオ」は個人的に人間願望篇でも一二を争う好きなエピソードなんだけど、「担当さんはやめたほうがいいような顔をしてた」、という作者コメントを読んでちょい待てと言いたくなった。
しっかりしておくれよ担当さん! 確かにこのエピはジャンプ的ではないかもしれないけれど、岩城作品の真髄はこういう情に溢れたエピソードにこそあるんだよ。そりゃ人情モノだけじゃダメさ、熱く、そして決してスマートではない必死の戦いの合間に織り込まれるからこそ、余計にぐっと来るんじゃあないか。
「みえるひと」に描かれる温かい感情が好きだ。
恋愛とも友情とも違う。
命がけのバトルの仲ではぐくまれる熱い「仲間」の連帯感でもない。
ひと と ひと の、ただ単純な、でも大事な絆。家族のようにさりげなく、でも強い絆。あたりまえの、でも稀有な絆。
それは時に敵や味方といった境界線さえ越える。
先代の明神がうたかた荘を買ったのは、冬悟に「家庭」を与えるためなんだと思ってた。あの話を読んだ当時は。
でも今になってみれば、それだけじゃなかった。うたかた荘はその時から既に、やがて姫乃を迎えるための場所でもあったんだ。既に母親を失っていた姫乃を家族として迎え入れ、そして守るために用意された場所。
さみしい人や霊が集まって、さみしくないようにすごせる場所。
それがうたかた荘。
ちきしょう、泣かせるぜおっさん。